第50回全国高校総合体育大会   平成17年8月

   








     
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★第50回全国高校総合体育大会(8/1〜4)千葉県立匝瑳(そうさ)高校弓道場

 7月29日(金)6時30分広島駅には崇徳弓道部の生徒、保護者が多数集まってくる。
やや照れ気味の選手(光永・豊岡・蔦宗・井上・木元・新宅)6名。部長の薬師寺、監督
の笠岡を加え、8名の選手団である。崇徳弓道部の部員全員と保護者の方々からの温かい
拍手を受けながら、7:00発の「のぞみ44号」に乗り込んで、いざ、出陣! 車中で
は、朝が早かったせいか、みんな静かであった。東京駅には11:06に到着。総武線の
「特急しおさい5号」に乗り換え、13:15に千葉県旭駅に着く。そこからは、予約を
していたレンタカーに乗って、まずは、試合会場の匝瑳(そうさ)高校へ移動する。車は
トヨタの「ノア」で、8人乗りと言っても、やや狭い感じがする。匝瑳高校の下に隣接し
ている第二中学校のグランドが駐車場となっていて、そこへ誘導される。仮設の階段を上
がると、匝瑳高校のグランドにつながる。歩いていくと、間もなくして、42人立ちの
仮設練習場が見えてきた。さっそく着替えて、軽く練習を始める。太平洋に近いため横風
が強い。1時間程度練習して、その日は指定宿舎の郷金旅館へ向かうことにした。旅館は、
出雲高校をはじめ、中四国の学校の、各県の専門委員長の宿になっていた。建物はかなり
老朽化が進んでいて、床が抜け落ちそうな箇所も多く、部屋はカビ臭い。最悪である。し
かし、食事はインターハイメニューなので、豪華。また、宿の方々が親切だったので、な
んとか救われた。

 7月30日(土)9:00に宿を出発。公開練習の時間を14:00に予約しているの
で、それまでの練習を横芝敬愛高校ですることにした。道場は5人立ちで、木に囲まれて
いるため、涼しく快適であった。更に、2〜3校しか来ていなかったので、落ち着いて練
習もできた。昼食後、公開練習に向かう。駐車場から、そのまま公開練習に向かったが、
少し距離があり暑い中をかなり歩いたせいか、調子が上がらず、公開練習の結果は11中
しか出ず、失敗に終わる。今回の経験から、試合当日は匝瑳高校以外の練習会場で調整し
て、試合に臨むのは止めることにした。

7月31日(日)長崎の海星高校の先生から第1中学校の弓道場がなかなか良いという
情報を得たので、そこへ行って見ることにした。確かに、試合会場に似た造りで、生徒も
引きやすいと言う。しばらく、ここで練習をすることにした。

8月1日(月)9:00から監督会議が行われ、10:00から開会式が八日市場ドー
ムで行われた。広島県の選手団が皆そろっていた。女子団体の呉宮原、男子個人の安古市、
竹原。女子個人の呉商業、井口。昨年度優勝校の優勝旗返還は、男子の広島工業と女子の
鳥取西。今年は、全国総体の弓道競技が50回目という節目の年であった。終了後は匝瑳
高校の仮設練習場へ行き、調整をする。明日が試合なので、早めに切り上げ、明日に備え
ることにした。

8月2日(火)インターハイ会場に乗り込んだその日から、試合の日を想定して、午前
中の過ごし方、昼食の時間、試合直前の調整を、決めた通りにこの日に行った。試合の出
番を全員が、巻藁の置いてある所で待つ。いよいよ出番がやってきた。今年からIDカー
ドを首から掛けて試合会場へ行く事が義務づけられるようになった。第3控えで弓具点検
が行われる。暑さはさほど感じない。第2控えを立ち、前へ進んでいくと、そこは試合会
場。眼前に大勢の応援の観客席が眼に入ってきた。しかし、選手も私も落ち着いて入場し、
第一射場の席に着く。前の試合が終わり、間もなくして、進行係の「起立!はじめ!」の
甲高い声が場内をこだまし、試合が始まった。大前の光永がいつもの間合いでゆっくりと
打ち起こす。弓から離れていった矢は、的に向かって一直線に飛んでいく。「パーン!」
と乾いた音が耳に入ってきた。一番大事な一本目が的中した。観客席から、「よーし!」
の応援の声が大きく響き渡った。続く二的の豊岡も鋭く矢が放たれ、的中。中の蔦宗も的
中。落ち前の井上、落ちの木元も見事的中させ、横皆中!観客席から拍手が鳴り響く。1
本1本、放たれた矢には、この一年間の練習の苦しかったその思いが込められていた。わ
ずか5分ほどで5人全員が4本の矢を射終えて退場した。結果は20射17中。予選トッ
プの成績であった。


団体予選 20射 17

大前 光永 貴明 ○○○○

二的 豊岡 諭志 ○○○○
三的 蔦宗 大貴 ○×○×

落前 井上 拓也 ○○×○

   木元 浩晶 ○○○○

保護者の方々も、私たちの所へ駆けつけて来られ、喜びを一緒に味わった。

  試合終了後、組み合わせ抽選会が行われた。抽選の結果、立ち順は32番と最後の立ち
となった。初戦の相手の31番は、なんとあの秀岳館が引いた。優勝候補だ。相手にとっ
て不足はない。今年も何度か練習試合で対戦し互角の戦いをしてきた。「よーし!明日は
やるぞ!」と、皆、意気込んだ。

8月3日(水)朝はゆっくりしようと決めていた。試合は今日の最後。16:00ごろ
である。朝食後の1時間程度を九十九里浜の海岸でリラックスさせる。早めに昼食をとっ
て、練習会場に入る。

いつものように、素引き、巻藁をし、仮設で最後の調整を行った。調子は悪くない。後は、
勝運が備わっているかどうか。

招集場所に到着する。すでに、秀岳館は来ていた。軽く一礼する。お互いに見慣れた顔で
ある。お互い、まさか1回戦で対戦するとは思っても見なかった。試合が始まった。1本
目、崇徳は4本的中。対する秀岳館は5本的中の横皆中。続く2本目、崇徳は大前が外し、
二的も外し、落ち前も外し6中。秀岳館は8中で2本差。まだ、行けると思ったが、崇徳
は後半崩れ、10中対16中の大差で負けてしまった。本当に残念であった。力が出せな
いまま終わってしまったことへの悔しさが込み上げてくる。しかし、勝敗は決してしまっ
た以上、取り返しがつかない。(光永2中・豊岡1中・蔦宗2中・井上1中・木元4中)

保護者の方々、広島県の関係者が激励に来られる。応援のお礼を述べ、負けたことへの
悔しさを噛みしめながら、そのまま会場を後にした。

4人の2年生の選手は、帰りの車中で、「きっと、来年こそは日本一に!」という思い
が悔しさとともにわき上がってきていたに違いない。


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