第61回国民体育大会中国ブロック大会

   平成18年8月( 総合・準優勝 )

 大元先生(皆実)・諫山(県商)・橋川(皆実)・藤井(竹原)・長田(三原)・東(皆実)

★第61回国民体育大会中国ブロック大 会(8/19~20)玉野市営弓道場

国体少年女子の監督を広島県高体連弓道専門委員長の私が7月から引き受けることとなり、
中国ブロック大会に臨む。

◇少年女子・遠的競技

  諫山(県商)9 9 0 7 0 0 5 9 39点

  橋川(皆実)0 0 0 9 0 9 0 9 27点

  東(皆実)9 7 0 0 10 7 0 7 40点

                    合計106点で第2位

 島根県と広島県が106点で同点であったが、島根県は24射18中、広島県は24射13中。よって、的中数で上回る島根県が1位となった。
 
 広島県の少年女子の選手たちは遠的で1位が取れなかったことに対して、気持ちが釈然とせず、その気持ちを引きずったまま近的の競技に入ってしまった。

◇少年女子・近的競技 一立目
  諫山(県商)×○○×  2中
  橋川(皆実)○××○ 2中
  東 (皆実)××××  0中

          合計4中

「しまった。最悪‥!」気持ちの切り替えが出来ないまま試合に出させてしまった。4中は絶望的な的中である。このままだと近的は最下位となり、本国体には出場出来なくなる。追い込まれた3人は手で顔を覆いながら泣き出した。私も、この最悪の状況を何とかしなくてはならないと思うものの、どうやって切り抜けたら良いか分からず、しかし、何かを言わなければと思いながら咄嗟に出てきた言葉は「トイレで思いっきり泣いて来い」だった。帰ってきた選手たちはいくらかすっきりしたのか、目に涙はなかった。しかし、絶体絶命の大ピンチには変わらない。第二控えの椅子に坐り、靜かに瞑想すると、この一カ月間のことが浮かんできた。猛暑の中で毎日厳しい練習に耐えてきたのも、絶対に国体へ出場するんだという強い思いがあったからだ。遠的が終わった段階では、その目標が目前にまで近づいていた。しかし、近的の1立目が終わったところで、その目標が無惨にも私たちの目の前から、消え去ろうとしている‥‥。そこへ、進行係の「入場してください」の声が耳に飛び込んできた。3人は立ち上がり、いつもの射場に入る準備をした。その射場に目を向けると、私たちの前で、鳥取県の少年男子が12射皆中を出し、応援席から惜しみない拍手が送られていた。我に返った私は思わずその的中を指さして、「この的中を頂こう! 勝運を貰おう!」と3人に檄を飛ばして、最後の試合に臨ませた。3人の眼(まなこ)は少し赤みを帯びていたが、笑顔を私に返してくれた。

◇少年女子・近的競技 二立目
  諫山(県商)○○○○  4中
  橋川(皆実)○○○○ 4中
  東 (皆実)○×○×  2中

         合計10中

‥‥奇跡が起こった。最後の立ちで震えながらも力を出し切った3人は、10本を命中させる。その結果、近的の合計が14中となり、最下位から3位に跳ね上がる。遠的と併せて総合順位が国体出場枠の2位に入った。その報せを知った3人は、涙を流して今度は大歓喜する。

国体出場権獲得したのは、広島県の成年女子、少年男子が敗れため、少年女子のみであった。