2009近畿まほろば総体 第2話

◆7月27日(月)6時30分

朝食を取り、7時過ぎにホテルを出発。歩いて10分のところに近鉄日本橋駅があり、そこから途中、鶴橋駅で乗り換え、更に奈良県に入ってから八木駅で乗り換え、そうして畝傍御陵前駅で下車する。今日も、朝から試合会場にたどり着くまでに、かなり体力を消耗した。体力の無い者は、全国では通用しないことを実感。
到着してから控え室に行き、着替えをし弓具を持って、巻藁会場へ移動する。歩いて7分程かかる。
今日は一段と蒸し暑い。
何本か巻藁射を行い、また、歩いて5分のところにある仮設練習場へと向かう。
公開練習は11時07分となっている。招集は10時40分ごろ。余り時間がない。時計を見ると9時30分を回っていた。移動の時間を考えると、あと1時間しかない。



時折、大粒の雨が激しく降ってくる。ひどく降ってきたなあと思っていたら、「あれぇー?」まもなくして青空が見えてくる。非常に不安定な天候である。

そんな中、仮設の補助生徒たちは、練習が出来るだけ早く再開出来るようにと、的場の板を、その都度ぞうきんで拭き取ってくれる。補助生徒、役員の先生方の機敏な動きに感動する。



仮設練習場からタイミングの良い時期に移動をしたいと思い、隅田を先に招集場所に行かせる。携帯で連絡を取り合いながら、良い時間に招集場所へ移動する。
試合会場の控えはクーラーが利き涼しい。薄暗く狭い廊下に「第4控え」が設けられていた。まもなくして「第4控え」から「第3控え」へと移動。「第3控え」は体育館の舞台の上に設けられ、更に暗い場所であった。そこで、《本人確認》と《弓具点検》《服装点検》《両手の点検》が行われた。
「第2控え」に移動し、すぐに、射場本坐の「第1控え」に移動する。
舞台の端から階段を使って降りると、いきなり試合会場の明るい照明が目に入ってきた。視界は一気に広がり、観客席や審判席が目に飛び込んでくる。
選手が入場した後に、監督が入場する。
佐々木はいつものように淡々として「第1控え」の椅子に坐る。見た目、冷静である。


佐々木は第二射場の2番立ち。1本目、2本目とほぼ真ん中に的中させたが、3本目を8時の下に、4本目を11時の上に外す。公開練習では、外しておくことも大事なので良い練習になったと思った。本人は全てを的中させたかったと思うが・・。これから調子を上げていけば、十分に間に合う。


公開練習が終わったので、ひとまず選手控え室で休むことにした。

選手控え室に戻ると、山口先生と沼田高校の選手みんなが、笑顔で迎えてくれた。明るくみんな元気そうであった。そこで、1+1=「にーっ」パチリ!
すぐ隣には岡山県の興陽高校の選手と仲西先生、木庭先生。ここでも、はいチーズ!
そして神辺旭の村上先生と山本さん、石原さんも、はいチーズ!
みんな、インターハイに出場できたその喜びを、『満面の笑み (^_^)v 』で表している。

この瞬間が、最高にいい!






沼田高校の監督と選手


岡山県 興陽高校の監督と選手


神辺旭高校の監督と選手と崇徳の選手



控え室でしばらく休んだ後、駅前のうどん屋さんで昼食を取る。むちゃくちゃ「こし」のある手打ちのうどんだった。おむすびもおいしかった。弁当よりは、温かいうどんの方がはるかにいい。佐々木が隅田にむかって「暑い時は、熱いものがえんじゃけーのー」と一言。
その後、練習に入ることにした。
昨日、佐々木の「射」を見ていて、一番気になったのは、会に入ってから矢先が動くところ。今日は、そこから調整していくことにした。

昨日と打って変わって、仮設練習場は賑わい、どこの学校も熱の入った練習をしていた。広島工業も沼田も高森も、監督のもと、調整に余念がない。その他、秀岳館、宇部中央、東京農大三高なども、ずーっと練習している。かなりの矢数をかけている。
暑さの中、監督の叱咤(しった)に耐えながら、練習する選手にとって、強い精神力と体力が無ければ、つぶれてしまう。
このインターハイの仮設で練習している選手たちは、本当に鍛え抜かれたアスリートたちの集まりだ。

公開練習の終了後に、監督会議が行われた。



山本忠欣先生と広島工業の選手





山口善聖先生と沼田の選手











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