第63回国体中国ブロック大会(山口市)

平成20年8月17日



・少年男子(崇徳単独チーム) 総合優勝  ・少年女子 総合準優勝 ・成年男子 総合優勝 ・成年女子 総合準優勝





後列 ◆少年男子監督 笠岡博範(崇徳)           ◆少年女子 選手団 ( 大門 呉工業 )

    前列 ◆選手 恒松洋吾郎(崇徳)  相原正樹(崇徳)   矢可部俊貴(崇徳)













◆成年男子 選手団     ◆成年女子 選手団







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6月27日の広島県国体最終選考会で崇徳の恒松、矢可部、相原の3人が勝ち残る。
この度は崇徳単独チームということもあり、是が非でもミニ国体(中国ブロック大会)を突破し、本国体に駒を進めていかなければならないという強い決意で臨む。

夏休みに入ってから遠的の練習が出来る広島工業高校に、毎日のように通う。ミニ国体は遠的が先(午前中)に行われるので、最初に遠的の練習を4立〜6立行い、その後、近的の練習を2立程度行う。
ミニ国体突破目標ラインを、一人遠的4射30点、近的8射8中に設定して取り組む。しかし、3人とも目標の的中にはなかなか届かなかった。特に、遠的は安定せず、大変に苦労する。

8月に入り、会場の山口県維新公園の弓道場で合宿を長期間組む。そうして8月12日、他県よりも早く会場入りし、最後の強化に取り組む。どこの県よりも練習はやりきった。

いよいよミニ国体当日の朝を迎えた。立順は「1、島根」、「2、岡山」、「3、山口」、「4、鳥取」、「5、広島」と広島は最後の立ちである。

   ◎遠的競技1回戦
     恒  松  7  7  9  9  32点
     矢可部  3  9  0  7  19点
     相  原  0  5  0  0   5点
                 合   計  56点

恒松は抜群の集中力でもって、的の中心に矢を集める。しかし、矢可部は調子が上がらず。遠的を苦手としている相原は狙いが全く定まらない。1回戦が終わって、島根が68点、山口が60点、広島が56点、岡山が39点、鳥取が30点。広島は3位につけている。本国体に出場できるのは上位2県である。なんとしても2位にはつけておきたい。

   ◎遠的競技2回戦
     恒  松  7  9  9  9  34点
     矢可部  7  3  10  0  20点
     相  原  3  0  0   0   3点
                合   計   57点


3射目までは高得点の出るペースであったが、4射目を矢可部、相原が外し、得点が伸びなかった。
遠的競技の結果は、1位島根145点、2位山口124点、3位広島113点、4位鳥取109点、5位岡山96点となり、目標の2位には届かなかった。この遠的競技で、恒松は合計66点を出し、少年、成年合わせて出場選手中、最高得点をたたき出した。

しかし、まだ可能性は残っている。午後からの近的競技で1位をとれば本国体に出場できる。軽く昼食をとった後、休憩をとり、それから、巻藁で調整をする。ずっと3人を見てきたので、巻藁練習で的に的中させる射に持っていける自信はあった。あとは、選手3人それぞれが、試合でその巻藁と同じ射ができるかどうかにかかっている。選手を信じていこう。どっしり構えていこうと自分に言い聞かせる。


◎近的競技1回戦
いよいよ近的競技の1回戦が始まった。遠的1位の島根は7中と不調に終わる。
しかし、遠的2位の山口と4位の鳥取が目の前で11中を出す。両県ともに近的で1位になれば、本国体に出場出来る。必死である。
広島も1本も外せない。そういう緊張感の中、恒松、矢可部、相原は、控えの本座から射位へと進み、いよいよ行射を始めた。
3人とも淡々と安定した射で1射1射を的中させていく。プレッシャーのかかったこの大一番で抜群の集中力を発揮する。的中する度に○の表示が看的板に積み重ねられていく。息が詰まりそうな連続の時間が続く。的中させる度に広島の応援団から大きな声援が送られ、大いに盛り上がる。最後の矢を相原が「どうだっ!」と言わんばかりに的に入れる。なんと、12射12中!!看的板には、全て○が表示された。

     恒  松 ○ ○ ○ ○
     矢可部 ○ ○ ○ ○
     相  原 ○ ○ ○ ○

◎近的競技2回戦
近的の2回戦でも、必死の鳥取がまた我々の目の前で11中を出す。合計24射22中。大変に高い的中である。最後まで広島にプレッシャーをかけてくる。山口は8中で合計19中と後退する。いよいよ最後の、広島の2回戦が始まる。鳥取に勝つためには11中以上しなければならない。自然と、祈るような気持ちになる。選手を信じるしかない。応援団はもちろんのこと他県の選手もみんなが、広島の3人の矢に注目する。

大前の恒松がいつものように弓をゆっくりと引き大三をとる。間もなくして矢が放たれた。その瞬間、渇いた音が辺りに鳴り響く。最初の1射目が的中!「ヨーシ!」と広島県応援団の声援がその直後に発せられた。続いて矢可部も相原も的中!応援席から拍手が響きわたる。1回戦と同じように、1射また1射と、看的表示板に○が表示されていく。3射目まで全てが○。いよいよ最後の4射目に入る。今まで完璧だった大前の恒松の射が、わずかに狂う。あっ・・外れた。一瞬、時間が止まったように感じられた。応援席から「あーっ!」というため息に近い声が聞こえてきた。後の二人が的中させなければ、国体出場が危うくなる。
しかし、矢可部は全く動じることなく、堂々と全ての矢を的に的中させる。「ヨーシ!」と一段と大きな応援の声が響き渡る。この時点で鳥取と並んだ。24射目の最後の矢を相原が顔の口割に引き寄せる。そうして放たれた矢は的の真ん中に突き刺さる!思わず心の中で「やったー!」と叫ぶ。
合計23中となり鳥取を抜いて1位が決定した!
この大舞台で、また、「勝利の歓喜と感動」が、選手と共に味わうことが出来た。
選手に感謝!
「ワーッ」と応援団の拍手と喝采の声が聞こえてきた。

     恒  松 ○ ○ ○ ×
     矢可部 ○ ○ ○ ○
     相  原 ○ ○ ○ ○

【近的競技 24射23中 1位】

【総合 優勝】 大分国体出場権獲得


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